原材料やエネルギー費などが価格高騰し、深刻化する人手不足対策としての労務費も上昇する今日において、中小企業等が持続的成長を実現するためには、上昇するコストの適切な価格転嫁が喫緊の課題となっています。
今年度、近畿経済産業局では、中小企業をはじめとするすべての事業者向けに、価格転嫁の機運醸成及び適正な価格転嫁の円滑化をめざすことを目的とする価格転嫁サポートセミナーを開催します。
本セミナーでは、価格交渉・価格転嫁に関する国の施策説明や業界団体による価格転嫁促進ツール作成などの取組例、地域の産業支援機関による支援活動、価格交渉・価格転嫁の実践事例を通じて、企業が価格転嫁を実践するための企業体質づくりや価格交渉のポイントを紹介します。ご関心のある方はぜひご参加ください。
日本自動車部品工業会は、自動車産業に関わる諸課題に取り組み、日本の自動車産業の競争力強化及び日本経済の発展、延いては国民生活の向上に寄与することを目的として昭和44年8月に発足した業界団体。自動車産業のサプライチェーン全体への適正取引の浸透に向けて、原材料やエネルギー、労務費等の価格を公表データに基づき取り纏め、その価格推移を表計算ソフトで分かりやすく確認できるようにした価格転嫁促進ツールや具体的な価格転嫁の事例集を作成し、コスト上昇の適切な価格転嫁を促し、サプライチェーン全体へ浸透させることを目指している。
伊藤氏は2024年5月に同会へ入所。取引適正化に向けた取り組みに加え、外国人技能実習制度見直しへの対応や物流2024年問題の社会課題に対する取り組みを行っている。
明治28年に創業した総合金網・パンチングメタルのメーカー。「スーパーパンチング」という板厚より小孔径のパンチングプレス加工をはじめとする高度な技術力を強みに、付加価値の高い製品をオーダーメイドで製造・販売。奥谷氏は、同社の6代目として2016年に代表取締役社長に就任。
独自技術に加え、納期調整やきめ細やかな梱包方法への対応などサービスの質も総合的に高めることで、海外含め数万社を超える顧客数を持ち、毎月、国内外数百社との取引を行う。材料費やエネルギー費、社員に還元する労務費も上乗せして価格交渉を行い、価格転嫁を実現。また、材料等のサプライヤーに対しても、相見積もりなどを通し健全な価格交渉を行い、共存共栄の関係を保っている。